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第109回『長年の見逃し』2005年2月20日

 ベランダから撮った
何の変哲も無い冬の朝の写真であるが、
実は去年、気付いたことがある。

多くの広葉樹は紅葉した後、
霜にあたり、風に吹かれ葉を落とし、
11月末頃には殆ど葉を落としてしまう。

この団地の並木のケヤキ、
シナノキもそうである。

その他、ガマズミ、エノキ、なども
多く植えられているが
全て葉は落としている。

落葉広葉樹は文字通り
それが当たり前の事と長い間思っていた。

ところが、写真のように、
ナラ、クヌギの類は、
「葉は枯れても、葉は落ちない」
と言う事である。

フユシャクのところで記したように、
冬の雑木林には随分通ったにもかかわらず、
気が付いていなかった事に
今更ながら驚いているのである。
恥ずかしい!全く、何を見ていたのであろうか。
しかし、案外そんなものかも知れない。

「云われてみれば、そうだね」
と言うような事はいっぱいありますから。
そこで接写のカメラマンらしく、
クヌギの葉柄の付け根をUPで撮ってみました。

それが下の写真です。

硬い休眠芽を、枝と葉柄で
包み込むようにしています。

春になって休眠芽が膨らんでくると
自然に葉柄がぽろりと落ちるような

仕組みになっているのでしょう。
それにしても、晩秋に殆どは落葉してしまうのに、
何故、ナラ、クヌキの類は春まで
葉を落とさないのだろうか?
どんなメリットがあるのだろうか?

しかし、この写真をじいっと見ていると、
休眠芽を如何にも寒さから守っているようにも
見えてきますが、
皆様はどのようにご覧になりますか。



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