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第126回『アンズの里・余禄』
2005年4月21日

暖かな日が続き心配になってきたことと、
一番の見頃に見たいこともあって
14日にまたまたアンズの里へやってきた。

心配している通りというか予想通りというか、
既に七、八分咲きの見頃になっていた。

遠来のお客様には申し訳ないが
こればかりはなんともならず、
当日14日までなるべく低温を祈るしかない



ご覧の通り全体にピンク色であるが微妙な濃淡、
周りの山の柔らかな春色、正に桃源郷である。
桃源郷の中心には、
この巨大なケヤキの古木があり、他を圧している。

アンズが主役ではあるが、この長閑な風景の
コントラストに、巨大なケヤキの存在は大きい。

遥か昔に、雑木林に君臨する樹齢数百年の
「クヌギ」の老木に、雑木林の変遷を語らせる
物語を書いたことがあり、数百年と言う樹齢を
重ねてきた「巨木」には特別の思い入れがある。

今回もそんな事を考えながら、このショットを
撮りたい位置まで坂を下ってくると
何やら撮影をしているらしい。
スタッフがあちこちに見え隠れしていてた。

カメラは大きなアリフレックスを構えていた、
これはおそらくテレビではなく映画であろう。
しばらく、傍で見ているとケヤキの樹を見上げながら歩く
親子の姿が見えた。カメラはそれを撮影していた。

「寺尾 聡」だというような声が聞こえたので、
遠目ではあるが、
眼をこらすとそのような雰囲気の男性である。
望遠レンズに付け替え覗いたが、確認できるほど
大きくはならなかったがとりあえず2~3カット。



帰って来て大きくしてみると
正しく「寺尾 聡」であった。

次のカットの打ち合わせか、スタッフが、
遠い所に構えているカメラと
連絡を取っているようなようす
その間のリラックスした俳優の素顔
とでも言うのだろうか。

前回は、宇和島の、「姫」と「牛鬼」、
今回はスタ-「寺尾 聡」、思わぬショットを得た。

無論アンズを忘れたわけではない。
最も好きな、形の良い老木。
このように青空の日に見上げるのが最高。




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