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第15回「おおいぬのふぐり」2004年3月15日



春とはいえ信州では未だ花のつぼみは固く、
何も咲いてくれません

そんな中で健気に小さな可憐な花
を咲かせているのが
この「イヌノフグリ」

可憐な花にそぐわない命名で、
いつも気の毒に思ってしまいます
「ふぐり」といっても、知らない、
判らない人が多いことでしょう

ふぐり=陰嚢、
つまり「犬の陰嚢」という名を
付けられてしまった気の毒な花です
この命名は、小さな実の形状
(丸い実が二つ並んでいる)
からきているようです

花(植物)の和名には、花にとって、
そう呼ばれたくないであろう、
命名がしばしばみられます

2~3例を挙げると、
「ママコノシリヌグイ」
(細かいとげのある水辺の草)

「ハキダメギク」
(小さな白い花を付ける菊科の野草)

「ブタノマンジュウ」
これは、どなたでもご存知、
シクラメンの和名です。

生物に命名するのはそれぞれの
専門分野の学者ですが、
植物学者はちょっと意地悪な
感じがしますね

因みに植物名で最も短いのは
「イ」 ひと文字、

最も長いのは、
「リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ」
21文字。もっともこれは別称で、
正式には「アマモ」
(甘藻という海草の一種)です。

間もなく春の花の季節です、

冬の長い信州では花が咲き始めたら、
それはもう一気呵成
あらゆる花が次々に咲き競い
目まぐるしいほどです、

写真を撮る人間にとっては
もう少しゆっくり


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