第157回『我が写真デビュ-』
2005年10月16日
夏の個展は、 「デジタル写真作品」と 「パソコン画」であった。 写真作品の多くは「和紙」へプリントしてみた。 写真の内容からいって、ちょっと心配したが 光沢紙では出ない味わいがあって好評であった。 せっかくデジタルでやるわけだから デジタルならではという事を考え、 毎日、会場の近くで 撮った昆虫の生態をプリントしてご覧頂いた。 プリンタ-までは持ち込まなかったので、 リアルタイムというわけには行かなかったが、 翌朝には展示していった。 これも好評で、係員は毎朝 楽しみにして見てくれていた。 下の写真はその時の一点。 ゴマダラチョウの産卵の瞬間である。 それほど珍しい種ではないが、 久々の出会いで、嬉しくなった。 しかも産卵の瞬間を撮らせてくれた。 |
蝶は、葉を吟味して、 気に入らないと他の葉へ移動、 あちこち探して気に入れば腹を曲げて葉裏に産卵 蝶が飛び去ってから、葉を調べると、 淡い水色の卵が二個、産みつけられていた。 |
縦縞の入った、きれいな卵にうっとりさせられる。 直径は1ミリ程度であるから、 かなりの拡大になっている。 二個の卵は6日後に無事孵化し、 一匹はエノキの葉を食べ(右) 生長し始めたが最初の脱皮に失敗 結局育たず、真に残念。 しかし、可愛い黒いクリクリ頭の、 初齢の幼虫までは、このようにご覧頂けた。 幼虫は、オオムラサキの幼虫と同じ エノキの葉を食し、 姿もそっくりで注意してみないと見分けがつかない 秋になって葉が落ちる頃には幹を伝って下に降り、 一緒に、根元に積もった枯葉の間で冬を越す。 幼なじみで、同じ育ちなのに、 常にオオムラサキにスポットライトが当てられて、 話題にされ、保護もされる ゴマダラチョウといっても殆ど誰も知らない。 気の毒であると思う半面、 「渋い脇役でよかったなあ」と声をかける。 私にとっては、某新聞社の週刊誌の表紙を 初めて飾った時の 「モデル」を勤めてくれた「蝶」で、 愛着一入である 東京の「豊島園」という遊園地 の中に「昆虫館」があり、 そこで「虫」に仕えていた時であるから もう、かれこれ40年前である。 |
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