(戻る)

第164回『寒スズメ』2005年12月19日


今朝カ-テンを開けて思わぬ量の積雪に
びっくり。20センチくらいもあろうか。
この時期にしては大雪である。
この辺りはそう雪の量が多い所ではないが冷え込むので
昼間多少融けても夜間に凍り、当分は融けまい。

南側の通りの並木の高い枝には
スズメが、すずなりになっている
車が通るといっせいに飛び去るが、すぐ舞い戻ってくる。

普段の餌場はすべて雪に覆われてしまい餌を
拾うことが出来ないスズメやキジバト、ヒヨドリたちは、
人家近くに来て雪の無いベランダに、
かわるがわる訪れ、餌探しにおおわらわでである。

何か啄ばんでいるが、
餌になるようなものも無く、じきに飛び去る。

餌でも撒いておいてやろうとも思うが、一度味を占めると
毎日多勢で訪れ朝から騒がしいので思いとどまる。

東京の郊外に住んでいた頃一度餌台を作って、
早朝からの騒がしさに懲りていたからである。

それより20年まえに遡れば、逆に寒スズメと見れば、
ポケットから「パチンコ」を取り出し小石を拾い
狙いを定め撃ち落し、羽を毟り、網で焼き、
醤油をつけて食べていた。大変美味である。

しかし、美味いからというような理由ではなく
当時乏しかった動物蛋白源の補充であった。

大人になって焼き鳥屋などで
一杯飲むときのつまみにもよく食した。

夏のスズメはほっそりとしているが、冬毛のためか、
寒スズメはふっくらと丸みを帯び美味そうに見える。
今日日、寒スズメを見て「美味そう!」などと
思うのは酒好きのオジサンくらいであろう。

最近では数が猛烈に増え、秋の一時、
団地内の並木をねぐらにするスズメの数は凄まじく
近くを通るとその賑やかな事、
まさに「雀荘」(マ-ジャン荘)にいるようである。

ここまで記してきて、
雪が融けて地面が見えるようになるまで、
暫くの間、ベランダに多少の餌を
撒いてやろうかなどと考えている。




(戻る)





































(EOF)