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第167回『虫の知らせ』
2006年1月12日

昨年11月の個展の折に観に来てくれ、
久しぶりに会った友人Eは俳句の同人誌の編集を
引き受けているという、近況を話てくれた。
勿論彼も俳句を詠むということであった。

昆虫の写真を見ながら話をしたが、
さすがに自然への関心も高く、よく知っていた。

カマキリの写真の所で、
「カマキリの卵の位置が高い年は雪が多い」
と昔から云われているが
今年は家の鴨居くらいの高いところに
卵が産みつけられていたから、
この冬は大雪だなと呟くように云った。

昔から、秋、カマキリの
「卵が産み付けられた位置」によって、
その冬の雪の量を、
お百姓が予測する話は知っていたが、
正確なデ-タ-があるわけではない。

しかし、自然の厳しい条件の中で
生き抜いてきた彼ら虫たちに
本能的にそのような予測能力があっても
不思議ではないと、面白がっている。
甚だ科学的でないと言われそうだが、かまわない。

百姓、漁師の古老の天気予報を、
当たらぬ「気象庁」の予報より遥かに信用している。

気象庁の、この冬の予報は
「暖冬」と云うことであったが、
記録的な大雪と寒さに見舞われている

下の写真は2002年団地の植え込み「ニシキギ」の
枝に産み付けられたカマキリの卵嚢である。
左の卵嚢の位置は高く、積雪をクリヤ-しているが、
右は雪に埋もれてしまっている。
高い位置でも一応、雪は被るが融けるのが早く、
卵の越冬条件として有利であることは確かである。
この年も雪は比較的多かった。



昨年12月の中旬に(15日と19日)
どさっと降って根雪になり
その後も毎日のように降り続いていた。
正月4日、上京の朝、
前日からの雪が新たに30センチ以上積もり、
出かけるのに難儀をした。

駅ホ-ムの西側はリンゴや桃の畑が広がっているが、
ご覧の通り大きなリンゴの木であるがが
枝に積もった雪が重くのしかかり、
埋まりそうになっていた。

カマキリの積雪予測は当たった。

「虫の知らせ」は的中である。
今日も又朝から雪が舞っている。



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