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第168回『腹の虫』2006年1月17日

数日前の朝日新聞にカメラメ-カ-「ニコン」が、
フィルムカメラの生産を減らし
最終的には二機種のみを残し、「デジカメ」の生産に
集中していくといった内容の記事が載っていた。

友人の薦めでデジカメを使い始めたのが
確か1998年だったと思う。約8年前である。

それから既に三機種目のニコンD70であるが、
デジカメの進化は速やかで、最初の機種の頃感じていた
不便な点は殆ど解消された、というよりも
予測もしていなかった機能を持ち、使っている当人が
あまりに多機能で全てを把握していない。
しかし、以前以上に写真を楽しんでいる。

当然アマチュアの世界にも普及し、
多くのユ-ザ-がいる。

ところが意外なことに
アマチュアのクラブなどに所属していて、
他のアマチュよりは「レベルが高い」と思っている人(失礼)
の間ではフィルムカメラに拘って、
デジカメに切り替えない人が多いようだ。

写真展の会場で、
デジカメに切り替えて撮っているという60代の人から、
デジカメに切り替えてから
どうも仲間外れのようになっていると聞いた。
デジカメ否定派の人も一人来たので、理由を聞いてみた。

デジカメだと、パソコンに取り込んで、画像を、
どのようにでもレタッチできると云うことであった。
それも、作品を見ながら、
かなり悪意の篭った言い方であった。

腹が立ったので
それは、
「あなた自身の問題であってデジカメの問題でないでしょう」
と、はっきり云ってやったが
そのての輩は、頭がよろしくないので、
その後も、ぐじゃぐじゃと作品に難癖をつけていた。
相手にせず最後に一言、
「アマチュアとプロではレベルが違いますから
話になりませんね」

こちらも憎まれ口を叩いてやった。

写真の補正はデジカメ作品に限らず、
フィルムでも行われる。
露光やコントラスト、色彩の補正など
昔から行われていることである。
パソコンではそれ以上の事、極端に言えば捏造もできる。

であるから、それは、使う人間の、
良識とか良心の問題と云う事になる。

私は昆虫の生態を被写体にしていますから、
自然の真の姿を伝える事が目的です。
従ってできるだけ、人工的な手段は使わない。
自然のまま、撮ったままである。

姑息な手段で画像を作り変えなければ
見られないようなへたくそでないと自負している。
アマチュアが趣味で風景を撮っているのとは
はっきり違うと云いたい。

この無礼な輩とのやり取りがあってから既に二ヶ月も
経ているが未だにこの腹の立ちようである。

最後にデジカメで撮ったままの写真を、
皆様に、ご覧頂き「腹の虫」を収める事にする。




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