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第184回「オトシブミ」
2006年5月24日

一日パソコンの前にいるか、
本を読んでいるかのどちらかで、
最近はさすがに「眼」も疲れるし、
運動不足にもなっているので、
朝になって思い立ち「鬼無里」と云うところへ
バスで行って見た。

淡い緑の葉が未だ若く、柔らかそうではあるが、
しっかり繁っていた。
暑からず寒からず、
一年のうちで最も好きな季節でもある。







 寒くて雪の多い長い冬だったので
つい出遅れた感じである。

ウスバシロチョウがすでに出現し、
盛んに飛びまわっているのに驚いた。
鬼無里といえば、戸隠の近くだから、
もう少し遅いと予想していたわけである。

ウスバシロチョウの写真は結構持ってはいるが、
やはり狙ってみたくなり暫く狙っていたが、
風が強いせいかチョウが落ち着かず
なかなかゆっくり花に止まっていてくれない。

諦めて他へ移動、
集落の中にあるお寺の境内で
一服しながら地面を見ると葉を
巻いたものがあちこちに落ちているのが
目に付いた。

「オトシブミ」が造った揺籃である。

(写真上段)
樹は欅であるから高く
10ミリたらずのオトシブミは見えないが、
かなりの数の揺籃が落ちているので
沢山いるようだ。

オトシブミ君には申し訳ないが一個、
欅の葉を、しっかり巻いて造った揺籃を
ほどいてみた。

(写真中段)
葉の先端から1センチほどのところにある
黄色い小さな粒が産み付けられた「卵」である。
(クリックで写真が大きくなる)

左下に胸の赤い「ムネアカオオアリ」がいるので
大きさはおおよそ見当がつくと思います、
「卵」の長径は1ミリ足らず。

しっかり葉っぱに巻かれ、
外敵に襲われる確立が少ない。

無事に孵化し幼虫になると、
揺籃そのものの内部を食べて育ち、
蛹を経て成虫になると言う、しくみである。

成虫になると、
葉っぱをたべて、生活しますが、
多くは一冬越して柔らかい若葉の頃、
若葉を巻いて揺籃を作り
次世代へと継続されていく。

(下)の写真は
揺籃が凡そ完成したところであるが
プロセスがわからないので、
下の、プロセスを図解したものを
ご覧になって下さい。

揺籃つくりのある一種の例であって
全ての種が同じではありません、
葉の切り方、丸め方、とめ方、
それぞれに決まった方法があります。

興味のある方は図鑑などで調べてみてください。
 



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