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第187回「小さな世界への誘い②」
2006年6月6日

「小さな世界」もセンチの単位のうちは
未だ何とか目の良い人ならばと言う世界であるが
ミリ単位になってくるとちょっと厳しくなるし、
ましてや相手が虫になると
保護色などで身を隠す名人たち
であるから、まあ殆ど見えない世界である。

それでもその気になれば何とか見えるので
今回はミリ単位に挑戦してみた。

左上の花の名はキュウリグサ。
ワスレナグサの近縁であろう。
しかし大きさはワスレナグサより更に小さく、
直径2ミリほどしかない。
野外を歩く時は老眼鏡は外しているから
この大きさの花は殆ど見えない。

右上は、グリ-ンアスパラの花である、
釣鐘状の花は幅が1ミリ程度であるから、
薄い黄色い小さな花がたくさんついているなあ、
程度でよく見ていなかった。

お恥ずかしい話だが今回写真に撮って見て
初めて花の形を知ったわけである。
左上はヒメマルカツオブシムシ。

おそらく名前は初めて聞くし
初めて見たと言われる方が
殆どであろう。

しかし、身近な存在で、
煮干やたんすの中の衣類を食べる虫と聴けば、
「ああこの虫が!」と主婦は目を剥くであろう。

右上はカツオブシムシと違って、
私達の生活に直接何の害も無い存在の
小さなカメムシの一種であるから
気付く人はいない。

いずれも体長2ミリ~2.5ミリである。
左上は
ノバラの新しい枝に付いていたアリマキ。
中央の一番大きなもので1ミリ前後か。
アリマキはこれからの暑い季節は単為生殖である。
つまりすべてがメスで生まれてくる
子供も全てメス、
しかも胎生であり、3日もすれば
母親になるから鼠算どころではない。
枝からこぼれるほどに
びっしりになるのも間もなくである。

右上の写真は、
クサカゲロウの卵。
網戸などの無かった昔は家の中に
さまざまな虫が入ってきた。

クサカゲロウも灯りに誘われ入ってきて、
電灯の笠などによく産み付けていった。
この卵のことを優曇華の花と呼んでいる。
孵化した幼虫は、増え続けるアリマキを
片っ端から食べてくれる。
 テントウムシの成虫が
アリマキを捕食している様子は
前回の写真にあった。

今日バラの枝には
好物のアリマキがたくさんいるので、
テントウの幼虫も数匹見られた(左)。

ノバラの枝一本見ているだけで、
さまざまなドラマが観られなかなか楽しい。

少しねばって、
是非アリマキの出産場面を捉えようと思っている。
2ミリくらいの親虫から、コンマ3~5ミリの子虫が
生まれてくるのを撮るわけだから
ちょっと大変そうだが、乞うご期待である。



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