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第190回「小さな世界への誘い⑤」
2006年6月23日

暗い画面や、小さなものが苦手の老眼のくせに
「小さな世界」に引き込まれてしまった。
日課のように毎日午前中団地の周辺同じコ-スを
巡って歩いているが飽きることがない。


 団地内には多くの樹木が植えれているが
おそらく70%くらいしか種名は知らない。

花が咲く樹木は調べやすいが
花が咲かなかったり、
花が小さく目立たないから調べる手立てがなく
つい知らないままになっている。
写真の木も知らない。

葉っぱの表面の赤いコブのようなものは
「虫こぶ」とか「虫嬰」とよばれているもので、
アブラムシの一種が葉の組織内に産卵、
その刺激で植物の細胞が
異常分裂してできるらしい、

まあ、一言で云えば癌みたいなものであるが、
この木の被害はご覧のように酷い!
殆どの葉っぱに虫こぶが並んでいる。

虫こぶをいくつか切り開いていいたら、
やはり、アブラムシの一種が現れたが
種名は分らないので、アブラムシの一種
ということにして話を進めさせてもらう。

白いふわふわとした綿状のもがあるが、
アブラムシ、近縁のカイガラムシなどには
このような分泌物を身に纏い身を
守っているものが多くいるので、
多分その仲間であろうと推測している。

幹が一握りほどの太さのかなり大きな木であるが
殆どの葉がこの状態で遠めには
ピンク色の花が咲いているようでる。

虫こぶの中の住人も確かめ写真も撮ったので
毎日のように側を通るが素通りしていた。

一昨日久しぶりに近寄って暫く見ていたら、
葉の上を綿ぼこリのようなものが
歩いているの気付き早速レンズを向けて
撮ったが殆ど正体が分らない写真ばかり。

大きさは5ミリほどの綿の塊のようで
けっこう、ちょこまかと歩きまわる、
捉えどこがなく撮影は難渋した。

写真では手前に、尾端らしき節が
4節見えるだけでである。
まさに綿ぼこリが歩いているのである。

満足のいく画像はなく翌日もう一度挑戦。
とにかくシッポを掴んだだけでは仕方が無いので
粘ることにしたが姿をみせない。

諦めて他を回りかえりによって
漸く一匹発見何枚か撮れた。
中で正体を捉えたのが写真の虫である。

左を向いていて一対の大顎を
広げているのが判る。

これだけ姿を見せてくれて漸く、
カゲロウのなかまの一種の
幼虫であろうと推定した。
背中に背負っているのはなんなのか?

捕食した相手の蝋質の分泌物を
そのまま頂いて纏っているようだ。
その証拠に、亡骸のようなものも
背負っているではないか。

いずれにしても、初めてお目にかかった昆虫
であるがなんとも奇怪な姿である。
その後毎日見ているがこの「綿ぼこリ君」
にはお目にかかれないでいる。

と云うわけで、
「小さな世界」に興味は尽きないでいるが、
とりあえずこのシリ-ズは今回で終わり
又、珍しいもの、美しいものなど捉えた時に
ご覧いただくことにする。



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