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第202回「代用品」
2006年10月4日

この春頚動脈の狭窄を医者に指摘されるまで、
食べ物に関して、バランスだけを考慮する程度で
特別な制限などはしたこともなく過ごしてきたが、
コレステロ−ルで血管が70%塞がっている写真を
見せられると卵、バタ−など制限せざるをえない。

朝食が殆どパン食なのでバタ−は欠かせない。
ここ6〜7年は市販のバタ−の不味さに呆れ
自分で美味しいバタ−を造っていたが、
それを止め「マ−ガリン」に切り替えざるを得なくなった。

「マ−ガリン」と言えば戦後数年、
ものの無い時代に食べた記憶しかなく、
「バタ−」の「代用品」或いは「まがい物」
そして不味いものと決め付けていた。

デパ−トの乳製品売り場でバタ−を横目で見ながら、
マ−ガリンを見ると各社出していて
何を買ってよいのか解らないが、
バタ−すら不味い大手メ−カ−は避け、
とりあえず、Tホテル製のマ−ガリンを購入しようと価格を見ると
バタ−より高価であることに驚く。一瞬「代用品」の癖にと思ったが
他の銘柄も同じような値段である。

買って帰り、早速パンに塗って試食してみたが昔のマ−ガリンとは
格段の差で、大手メ−カ−のバタ−より美味である。
価格にも納得してしまった。



中性脂肪とやらの数値も高く、砂糖も控えなければならないので、
紅茶に入れる砂糖を人工甘味料に切り替えた。
これも砂糖の「代用品」である。

やはり戦後、砂糖の無い時代に出現した
サッカリン、ズルチンなどという人工甘味料が
「代用品」として使われていたが、
舌にいつまでも甘味が残り美味くなかった。
それでも甘党には欠かせなかったようである。

しかし、砂糖の価格が安くなりその後は影を潜めていたが
ダイエット流行りの昨今、サッカリンやズルチンと
同じものではないが、人工甘味料は返り咲いている。

甘さが舌に残るようなこともなく良いが、
価格は砂糖より遥かに高価で
紅茶に使っている感じでは砂糖の数倍であろう。
「代用品」ではなく「贅沢品」である。





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