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第208回「エイザンスミレ」
2006年11月15日

去年ご近所の知り合いから「エイザンスミレ」という
スミレの一種を頂いたが枯らしてしまった
そしてこの夏過て又、その知り合いから家人が頂いてきた。
棟は違うが同じ団地の同じ南向きのベランダで育てているのに
我が家では枯れてしまい
ご本家では増えすぎる程だという。

今年は枯らさないように注意して来年の春を楽しみにしていたら10月末ころから花が咲き始めた。
「スミレ」は「春」と決め込んでいるから思わぬ季節に花が見られ喜んでいるが、ひょっとしてこの種類は開花期が他と違うのかと図鑑で調べると、やはり4〜5月となっているから、正常ではないのかもしれない。花の大きさは普通のスミレと同じくらいである。花びらの色は殆ど白であるが、紫色の筋が裏表に入っている。しかし、自然では花の色は変化があり薄紫がかったのもあるということだ。
「エイザンスミレ」の一番の特徴はこの葉っぱであろう。殆どのスミレは丸っこいハ−ト型か少し長めのハ−ト型で、左に見るような切れ込みの多い葉っぱのスミレは図鑑に掲載されている限りでは本種だけのようである。私も本種を頂いて初めて知ったことで、葉っぱだけ見せられたらヨモギやトマトの葉に似ていて、スミレの葉っぱと思う人はおるまい。
和名「エイザンスミレ」は比叡山に生えるスミレの意と記されているが、おそらく比叡山で最初に発見され命名されたのであろう。本州、四国、九州各地の山地で分布しているようだ。
下の写真は右向きの花を横から撮ったものであるが、右に花びらの部分があり、左の方へ伸びて、壺状になった部分があり、ちょっと独特な形をしている
和名「スミレ」は、「墨入れ」が詰まったと言われている。昔の大工さんが使っていた「墨入れ」と云う道具(「墨つぼ」とも呼ばれていた)
さて、昔の大工さんの「墨つぼ」が、パっとイメ−ジできる人は60歳以上か?若い方はインタ−ネットで検索してみてください。私は検索して見てビックリ。墨つぼも、形、色彩ともに進化してしまって、現代では「墨入れ」→「スミレ」にはならない。




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