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第241回「アリの結婚飛行」
2007/06/29

多くのアリは6〜7月が結婚の季節で、
特別にも蒸し暑い日に目撃する。

図鑑や物の本には女王が飛び立ち空宅舞いあがる、
それを複数の雄アリが追いかけ最後まで追いかけた、
体力に優れた雄が交尾、結婚が完了すると書かれているが、
そのような情景にお目にかかったことはない。
三々五々、巣穴から這い出し、近くの草や木に登り、
葉先へ行き飛び立つ。これもバラバラである。


(葉上から飛び立つ寸前のクロオオアリ新女王)

結構おなかの大きいメスは重たそうで、
そう高い空まで飛べないのではないか?
やがて暗くなり灯火に羽あアリが集まってくるのは
皆さんもよく見かけるでしょう。
その多くの雄の羽蟻の中に女王も混じっているのをよく見る。
又交尾中のも見かけますから
結局、多くは夜間になって灯火に集まって
めぐり逢った雌雄が交尾をすることになる
というふうに考えた方が無理がないように思う。

まあそれはともかく、無事雌雄がめぐり逢い
交尾が済めば雄は責任完了、長く生きることはない
女王アリは地上に戻り不要になった翅を落とし
新しく地中に穴を掘り新居を構え、
そして産卵、まず数匹の働きアリを育てる。
働き手ができ、栄養の補給が整えば女王は卵を産み続け
新しい家族は繁栄し大家族になっていくわけである。
以上がアリの巣の家族の成り立ちのあらましである。

しかし、すべてがそううまく運ぶわけではなく、
大きなアリにも敵はいて、同じ日、近くで、
下の写真のような場面に出会った。



クモの種名は判らぬが、自身より大きな
クロオオアリの首根っこに毒牙を刺し捕えている。
他にも多くの種のクモがアリの敵で、
アリが捕らえられている場面はよく目撃することである。

下の写真もつい先月、家の近くで目撃、捉えたものであるが
クモ、アリいずれも上の写真のものより小さい。



小さな生き物の世界も弱肉強食の、
けっこう厳しい世界なのでである。




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