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第244回『ムクドリ』
2007/07/16

住んでいる団地は川中島平のほぼ中央に位置する。
十年前に冬季オリンピックの選手村として建てられその後、
市営住宅、教職員住宅、分譲マンションなどとして利用されている。

我が家はその中央に有り、南側が欅通りに面している。
かなり大きな欅を移植してあったが当初は貧弱であった。
十年経った今真に立派になり緑のトンネルとまでいかぬが、
かなり鬱蒼としてきて南側の棟の三階から下はは
繁る葉に遮られ見えないほどになってきた。

欅並木以外にもシナノキ、エノキ、カエデ、
クヌギ、などが棟の間に植えられ緑が多く
農業用水の流れもあり、限られた数種であるが鳥の姿もよくみられるので
昆虫が専門ではあるがやはり興味があり、
写真を撮ったり絵に描いている。

今までにもヒヨドリ・カルガモ・寒スズメなど、しばしば登場している。
数日前、ムクドリが植え込みの陰にいたので
遠くから見ていたら蛙らしきものを咥えていた。
用水を挟んでいたがレンズを向けると警戒して
咥えたまま移動し始めた。こちらが移動すると
あちらも移動、なかなか距離は縮まらい。
それでも何とか450ミリで捉えた。



アップにしてみて咥えてる獲物が他の鳥の雛であることが判った。
おそらく巣から落ちこぼれた不幸な雛が
死んでいたものと思われる。
殆ど羽毛の生えていない孵化したばかりの雛である。

巣から落ちてしまえば助かることはないから仕方がなかろう。
自然界では日常的なことである。

昨年、は巣立ったムクドリの雛がカラスに襲われ
食べられているのを目撃したことがる
生きたままカラスに押さえ込まれもがき、
鳴きながら食べられている残酷な場面であった。

より大きな昆虫が小さな昆虫を食い、
それより更に大きく強い昆虫が又それを食い、
更に強い鳥が大きな昆虫を食う。
自然界ではこのように循環しているわけである。

ムクドリは人里に棲み、田や畑を起す耕運機の
後を追うようにして昆虫、蛙などを漁っているのがよく見られる
一年を透して群れて生活していて、
夕方ねぐらに入る頃には数百羽の大きな群れになる。



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