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第253回『異常気象?温暖化?』
2007/10/18

10月の初旬に入笠山へ行った。
例年は冬を除いて、年3〜4回行くが
秋に一回だけというのはここ20年
或いは30年間で初めてかもしれない。

昼前に着いたが、その朝は4℃くらいまで下がったということで、
湿原はリンドウが残っているくらいで
他に殆ど花もなく、アカトンボが少し飛んでいるくらいであった。

季節が季節であるから、はなから昆虫は
期待していなかったが、ちょっと寂しい。

それでも、キノコを探しながら、
何時も必ず行く小さな池まで行ってみた。

池の縁まで行ったとたん、水面を何かが泳いでというより、
動いているので近付いてみたら
ヤンマが交尾したまま、翅を動かして移動してるらしい。

この池にはルリボシヤンマがいることは知っていたが、
この季節にいるとは思っていなかった。
岸辺の木に掴まっておちついたが、
写真が撮れそうな角度ではちょっと距離があり、
ニコンの105ミリのマクロでは無理そうなので、
新兵器のビデオカメラのズ−ムで
撮っておこうと覗いたが、それでも満足できる距離ではない。
しかし一応抑えておいた。



上がその写真であるが、やはりズ-ムで捉え、
更に大幅なトリミングをした画像は、ちょっと無理があり
こんな程度である。

木に掴まっているのがオスで、
尾端で、メスの首を挟んでいる。
その、シッポに、メスは掴まっている。
このような状態で、後ろのメスが、水草の茎などに産卵する。

帰りがけに、学校の寮のグランドで、家人が、
さっき蝉が落ちてきたので一応撮ってあるというので
液晶画面を見ると、地面にいるエゾゼミであった。
確かに生きているようであるが、
サイズが小さいのでもう少しアップで撮っておきたいと思い、
地面をもう一度捜索、
運良く見つけることができたので、撮っておいた。

例年7〜8月にみられ、9月には殆ど声を聞かないのに、
10月に入って、エゾゼミが見られるのは
珍しいことだと思う。そして左写真手前の、
翅の下に白い不規則な模様のように見えるのは
セミヤドリガ(蝉宿り蛾)の幼虫である。

右のアップでは、複眼の間にルビ−のように輝いている単眼
が3個あるのがご覧いただけると思います。

この二点も、上のヤンマを撮ったビデオカメラの広角接写であるが、
同じレンズでも、ズ−ムで遠くから撮った、
望遠接写とはこれだけ画像が違うということが
お判りいただけたと思います。

いずれにしても、標高1800Mの山の10月に、
ルシボシヤンマ、エゾゼミがいるということは
どう考えても異常であろう。
温暖化が進んでいるのであろうか?今年だけの異常気象であったのか?



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