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第264回『カマキリの積雪量予知』
2008/01/07

カマキリの卵の産卵位置によって
その冬の積雪量が予知できるという言い伝えが
昔からあるが、真偽は明確でない。

新潟在住の研究家の卵のうの位置による予知は
かなりよく当たると言う評判ではあるが
他の研究者の間では異論もあり、
完全に否定的な学者もいる。

最近弘前大学の安藤喜一名誉教授の研究について
東奥日報が掲載した記事を見た。
それによると、「カマキリが高いところに卵を産むと大雪」
という一般に知られた説に対し
この説は「カマキリの卵は雪に埋もれると死ぬ」
ことを前提にしているが、
雪に埋もれていた卵嚢47個を採集、一定温度に温めたところ
卵嚢中にあった約9000個の卵の孵化率は97.9%であった。

2005年、2006年、2007年の調査の結果孵化率は
全く変わらないと、報告されていた。
産み付ける高さは産み付ける時に選んだ
植物の種類によって大きな差がある。
凡そこんな記事であった。

この記事で気になったのは

この説は「カマキリの卵は雪に埋もれると死ぬ」
ことを前提にしているが

とあるが、この説の前提は確かにそうであるが、
それより、カマキリ自身が雪に埋もれても絶対に
大丈夫だと思っているか、
どうかのほうが問題なのではなかろうか。

産卵行為は子孫を残す重要なことであるから、
産卵場所を選ぶ時、より安全な場所を選ぶ
のが普通であろう。
とすれば、外敵のこと、気象的なことも含め本能的に
「より安全と思われる場所を選んでいるのかもしれない」
などと考えてしまった。

古くからの言い伝えなどは、
アカデミックな学者の間では問題にもされないことが多い。

例えば地震予知のナマズや他の小動物などの
地震前の異常行動などについても同様で
学者の間ではその手の研究に本気で取り組む人は殆どいない。

アカデミックな学者を攻めているわけではないが、
他の分野でも見受けられることである。
カマキリは英語でMantis「預言者」
(語源はギリシャ語)である。
だから予知をしてもおかしくないなどと云うつもりはない。
おそらく預言者めいた顔、表情から
そう呼ばれているのであろう。その預言者の顔をご覧下さい。




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