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第270回『野菜イラストA−トマト・ピ−マン・ブロッコリ−』
2008/03/18

季節外れの野菜が登場するが、
最近は季節にかかわらず何でもある時代で
野菜売り場を見れば一年中代わり映えがしないが
欲しいものはいつでも買え、いつでも口に入る。

そのかわり、キュ−リが一本200円などということもあるが、
高値で馬鹿馬鹿しければ横を向いて過ごせばよい。
旬とさして変わらぬ値段で売っているものもいくらでもある。
「旬」の感覚は失われてしまったが、便利と言えば便利である。
「旬」に拘って「今頃のトマトやピ−マンが喰えるか!」
と突っ張ってみても仕方がない。
野菜売り場はいつ見ても色彩に溢れ、楽しい。
そんな中から今日はサラダの素材を三種。


トマトはさまざまな種類が作られ多種売られているが、
トマト独特の青臭さのあるものは皆無である。
固定した品種が100種くらい登録されているようだが、
有名な「桃太郎」のようなF1は
品種としては登録されないから、
どのくらいのトマトが出回っているのか見当も付かない
しかし、殆どは、ひたすら甘いトマト、酸味もなく、
昔のトマトの風味も全くないものばかりで

買うたび、味にはがっかりさせられるが、
食べ物には「色彩」も大切な要素である。
サラダを作るとき、味に期待はしないがやはり、
トマトは欲しくつい買ってしまう。

ピ−マンといえば「緑色」が当り前であったが、
今は「赤」「黄色」「橙色」があり艶もあり
緑色野菜に混ぜた時全体の彩が輝いて食欲を刺激する。

焼いて、薄皮を除いて、オリ−ブオイルと塩味で
美味しくいただけるが色彩の魅力はは全く零になる。
トマト・ピ−マンはナス科、ブロッコリ−はアブラナ科の植物。

日本でも昔から、菜の花を、
おひたし・胡麻和え等で食すことはしていたから
花の蕾を食べるブロッコリ−に関しては
特別な食材と云う感覚はなく、馴染むのは早かったようだ。

それに引き換えトマトなどは1500年頃には
お目見えしたのに食卓に上るようになったのは
明治になってからということであるから、
食習慣と言うのはけっこう保守的で
食べたことのないものに対する警戒心は
なかなか消えないようだ。

昔ほどではないが現代でも、
新しい食材が定着し、普及、一般化されるには
結構時間がかかる。

「ア−ティ−チョ−ク」などという
アザミの花の蕾の親玉のような食材があり
知ってから30年にもなるが食卓にあがることは殆どない。
値段の点もあるかもしれない。
絵の素材として野菜はたいへん魅力的で、
食す予定もなく買うときがしばしばある。



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