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第278回『副業』
2008/06/26

気象庁の梅雨入り宣言と同時に
雨は降らなくなり好天が続いている。
信州の梅雨はもともと、それほど気になるような
梅雨ではないが、今年もカラ梅雨。

梅雨の晴れ間は、「虫屋」にとっては稼ぎどき、
毎日のように出かけるが、いつも出会いに恵まれるとは
限らず、たいした写真も撮れず
疲れて帰ってくることも、しばしばである。

しかし、たいてい一緒に助手として、
ついて来てくれる家人は、虫がいなければ、
目は「山菜モ−ド」に切り替わり、今の季節は、
フキやワラビへいく。つまり副業が始まる。

先日、たまには違った所へということで、
山梨まで足を伸ばした時がそんな状態で、
ワラビを折り、キイチゴ、クワの実を摘んで楽しんでいた。
ワラビは5〜6本もあれば一回分の味噌汁の実になるし、
木の実はジャム。

木の実のジャムは香がよく野趣に富み、
色彩的にも美しく、食卓を豊にしてくれる。
イチゴ、アンズに始まり季節の果物のジャムは殆ど造るが、
野生の木の実のジャムは別格である。

野生のものではないが、久しぶりに「スグリ」を
売っていたのでそれも買ってきてジャムにした。
それが左上の小皿。色彩的には、生の状態があまりにも
冴えているため、加熱した色にがっかりしたが
お味は、風味もあり、酸味が強く、
とてもさっぱりしたジャムになった。



「スグリ」は小粒の葡萄くらいの球形で
薄い縦縞が入っている。
子供の頃生で食べた記憶があるが、
その後お目にかかっていなかったので
小淵沢の駅の売店で見つけた時、懐かしく、
思わず買ってしまったというわけである。
本業が不調でも、こんなリカバリ−ができるので、
里山歩きは楽しい。



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