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第28回「肖像画・Ⅱ・木石さんのこと」2004年4月29日


(絵はクリックで大きくなります)


 すでに、第7回、10回、21回で、
木石さんには俳句、随筆などで
登場していただきました

今回は肖像画モデル(被害者)として、
本人像に登場してもらいました。

「君といて梅雨は優しき雨となる」
「花咲くや君の生まれし日のままに」

など、女性泣かせの句を詠む顔をご覧下さい。

2~3年前に撮った写真からの肖像画で、
健康そうに見えます、
今も殆ど外見は変わりませんが

木石さんは、実は10万人に4人という、
難病指定されている
「ALS」であると診断されたのが7年前
「ALS」とは日本語では舌を噛みそうな、
彼の表現では戒名のような病名です。
「筋萎縮性側索硬化症」

この病気は
徐々に筋肉が衰え、食物の嚥下、
呼吸もままならなくなる難病で、
今のところ原因が判らず
従って治療法も確立されていないのです。

宇宙物理学の「ホ-キング博士」、
昔の大リ-ガ-「ル-・ゲ-リック」
と同じ病気です。

木石さんはもう5年前から
就寝中は呼吸器を装着します、
先日来訪の折りも4キロほどもある
呼吸器を担いでみえました。

既に達観している彼は
そんな状況でも、普通に、或いはそれ以上に
悠々と活きています。
悠々素的に、或いは、悠々不敵、
と言った方が当たっているかもしれません。

自身「難病のプロ」と称し、
俳句の方では「廃人」とも称し、
洒落のめして、楽しんでいます。

私は2年前甲状腺癌の摘出手術を受けました。
手術直前の説明で
食道の外側も少し侵されているので、
食道の外壁を、削りますと言われ、
これは、やばい!と思いました。

好きな事だけをやり
68年も我儘に活きてきのだから
「まあいいか!」という諦めはありましたが、
内心は穏やかではありませんでした。
しかし、文字通り、喉もと過ぎれば・・・・
我儘に過ごしている状況です。

こんな二人で、しかも長い付き合いですから
お互い遠慮はなく、云いたい放題で
私が彼につけたもう一つの病名は「JRALS」
洒落ですから説明すると野暮になりますが、
敢えて野暮に説明します。

「JRA」は中央競馬会の略称。
ですから競馬によって「金力」が
衰える病という事です。

彼は彼で、話題がお互いの
「死にざま」に及んだ時、
「センセイは脳内出血か、
頑張って腹上死」しか考えられない
などと、さらっとおっしゃる。喜ぶべきか?

去年から、彼と私の「遺稿集」を編んでいます。
ハ-ドカバ-の豪華なものです。
内容は、ここで2~3ご紹介した「俳句と映像」と、
その他に「往復メ-ル」を収録する予定です。

存命中の「遺稿集」ですから、
これから、どのくらいペ-ジ数が
増えるか未定です。

最後のペ-ジがいつになるのか、
どんなペ-ジなるのか、お楽しみに。

一部分は、今までのように、ここでも
紹介して参りたいと思っています



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