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第280回『扶養家族』
2008/07/06

思いも寄らぬ「扶養家族」を抱えてしまった。
まずその、やんちゃな顔を見てやってください。



ヒヨドリの雛である。
巣立ちをちょっと早まったのか、
ろくに飛べないで団地のエレベ−タ−付近で
うずくまっているのを家人が見つけて報告してきた。
先ずカメラを持って降りて、遠くから先ず一枚
そして撮りながら、だんだん近寄って行ったが逃げる気配がない。

手を出しても逃げないので捕まえてみたが、
パニックにもならず、おとなしくしている。
しかし、親はそれを見て今にも私に襲い掛かりそうな騒ぎ。

少し隠れられる植え込みの方へ運んで放し、
親鳥に任せることにしてきたが、
暫くすると又エレベ−タ−近くにいると家人が言ってきた、
放っておけば猫にやられるか、
カラスにやられるか人間の子どもに捕まるか、
いずれにしても心配なので面倒を、みてやることにした。

団地住まいであること、旅に出ることも多いので、
生き物は飼わないことにしてきた、
昆虫以外の生き物を飼うのは久しぶりである。

初めに、ペット店へ行って、すり餌を求めたが
無いということなので、とりあえず、トマトを与えてみたら
おいしそうに食べてくれた。
けっこう給餌を拒否して、てこずらせることもあるので、一安心。

昨日は、バナナと硬く茹でた卵黄を混ぜて潰した
栄養満天の食事を与えた。当然美味そうに食べた。

間に、水を与えることも忘れずにやっている。
今日で3日目になるがだんだん元気になってきたようだ。

鳥かごなどもないので、有りあわせのダンボ−ルハウス、
使い古しのタオルを入れてやってある。
スイカの絵が描いてあるからスイカの出荷用のであろう、
二個入る大きさである。
今は(午後9時)おとなしく、眠ったようである。
朝早くから餌を催促する。
ふたを開けると大きな口を開け、目一杯背伸びをしてくる。



親鳥はこの赤い大きな口をみて刺激され
餌を運び与えるんだと何かで読んだ事があるが
親鳥でないが、人間もけっこう赤い大きな口には
刺激されるようで餌をやるのが楽しい。

こうして面倒をみはじめると、もともと
生き物好きであるから、可愛くて仕方ないが、
時期がきたら自然に帰してやらなければいけない。
鳥によっては自然に帰しても
戻ってきては餌をねだったりする、あまったれもいるようだが、
それはそれで可愛らしいことだ。

まあ、なるべく早く自立して、
時々顔を見せに来てくれる程度が一番よいと思っている。



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