(戻る)

第281回『扶養家族その後』
2008/07/15

我が家の突然の扶養家族「ヒヨ」は
早くも12日にもなってしまった。

13日には野外講座があり、その準備や、
8月6日からの個展の準備やけっこう忙しいのに
1時間おきには給餌の請求を
喧しくする「ヒヨ」には参っている。

数日前に、人間様でさえ初物の葡萄、
デラウエアを与えたら喜んでいたくせに、
昨日今日は口に入れたとたんにほき出すしまつ、
そして、バナナと卵黄を練った食事が今のところお気に入り、
牛乳が少し入ったり、ビワを小さく刻んだのが入ったり、
贅沢三昧。

ダンボ−ル・ハウスで飼っていたが、
娑婆へ戻った時にダンボ−ルハウス出身では気の毒なので
わずかな年金から捻出して
竹篭のワンル−ム・マンションに住まわせている。
親鳥が時々訪れる。



そして、クモや、トンボらしき
透明な翅の虫など咥えて籠の間近まで来るが
子どもはあまり関心を示さず、親が来たからといって、
興奮するわけでもない。どうなってしまったのか?

今日になって、ふと考えたのであるが、
最初、手でそっと捉えた時から、パニックにもならず
給餌も全くスム−ズに受け入れたと言うことは、
我が家へ来る前に既にどこかで扶養されていたのではないか
ということである。

飼いきれなくなって、或いはそろそろ
親に返そうとして放ったのかもしれない。
餌を与えられることに慣れてしまって、
自分から餌をとる事が出来ずに自然に帰されれば
即、こまってしまうであろう。

昨日まず容器に水を入れ与えてみたら、
自分で飲んでいたので水に関しては
安心だが、肝心の食事はまだその気がない。
少しずつ訓練はしてやっているが
いつになったら自立してくれるやら。
なんとか、ここ四、五日の間に開放してやりたいし
こちらも開放されたいと願っているが、さてどうなることやら。

暢気に、「新築竹篭ワンル−ムマンション」
に住んでいる「ヒヨ」様である。



(戻る)











(EOF)