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第289回『初冬の山での思わぬ収穫』
2008/11/24

突然の椎間板ヘルニアも思った以上に早く痛みはとれ
80%回復パソコンの前に座れるようになった。

数日前友人である山小屋の主人から
強力に誘われ腰を心配しながら山へ出かけた。
山と言っても歩くわけでなく、電車で富士見駅まで行き、
駅まで車が迎えに来てくれ、山小屋まで40分。
50年近く通っている山小屋なのに
11月末は初めてである。

標高1500くらいから道路は
10cmくらいの雪道で粉雪も降り続いていた。

夕方4時半ころの到着、
雪で未だ明るかったが小屋に篭り、夕食時の冷酒で
久々に主人と奥方と我等4人きりで
おしゃべりし8時過ぎ部屋へ。

昔のように夜中まで喧々諤々議論することも
無くなりおとなしくなったものである。
ほろ酔い程度でちょっと横になりそのまま眠ってしまった。

その布団にイトトンボが止まっていたので、
一応撮っておいたと家内が云うので翌朝見た。
数種類のトンボが成虫のまま越冬する。
その一種オツネントンボらしい。

結露が凍っている窓のところへ行ってよく見ると、
そのトンボが冷凍されていて全く動かない、
外気はマイナス5℃くらいか。
この低温で死んでしまったか、可哀そうに。
冷凍のオツネントンボをカメラに一枚収めて食事に行く。

1時間後に食事から戻ってみると、
結露も乾き、なんとオツネントンボは解凍され
しゃんとしているではないか、
「よかったなあ!」声を掛けながらもう一枚。
冷凍されていたオツネントンボ 解凍され蘇ったオツネントンボ

部屋から真南に甲斐駒山がくきりと見られる好天。
気温も上がってきたので外へ出てみることにした。

夜半まで降って雪は更に7〜8センチ。
小屋の前の道を横切り、下の湿原へ。
誰の足跡もない雪道を歩くのは大変贅沢な気分である。

湿原の木道も当然雪が積もっていたが足跡がある。
どうやらキツネらし、くっきりと新しい足跡。

小さな蛾が舞っているのが眼に入る。
標高2000弱の高地に
フユシャク蛾がいるとは思っていなかった。
止まってくれなければ写真は撮れないし、
種の判定もできないので暫く様子を見ていた。
親指ほどの太さの枝の重なった辺りに止まった。
落ち着くまで暫く待ち廻りこんで
枝に止まっていること確認しカメラを向け撮るが
接写レンズを持ってこなかったことに気付き
接写モ−ドにして、とりあえずできるだけ寄って数枚撮った。

小屋にもどり、接写レンズを持って20分後くらいに、
未だいれば儲けものといった程度で
そっと近付くと先刻と殆ど変らぬ姿勢で止まっていた。

カメラに収め、小屋へ帰り画像をみて満足。
暫く外にいると時々蛾が飛んでいるの気付き
観ていると、雪の上に止まった。
それも一枚撮影。思いも寄らぬ収穫に気をよくして
小屋に戻りコ−ヒ−を頂きながら、
翅の退化したメスを探すのは容易なことではないので
それは断念し昼食後ひと寝入りして
車で次の目的地まで送っていただく。

翌日帰宅してからフユシャクの写真を
パソコンで大きくしてみてビックリ
なんと、止まっているオスの翅の横から
メスの翅のないからだがのぞいているではないか!
交尾していたのだ。

オスの翅の下から左上方向に体半部出しているのがメス。完全な迷彩で、これでもなかなかみえてこないかもしれません。眼をこらして見つけて下さい。 雪の上のフユシャク。(オス)



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