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第315回『続ツマグロヒョウモン』2009/8/27

昨年3年ぶりに個展を開いたので
今年はお休みのつもりをしていたが、
四月からちょっと関りを持った「川中島地区住民自治協議会」
と有線放送から昆虫写真展をと依頼があり
開くことにした。会期は8月3日〜12日まで
ということで7月から準備にかかり忙しくしていたが

楽しい忙しさではあった。
会期中の10日間は当然毎日会場に詰めて、ご案内をした。
遠くは宇治市、大津市、東京から
友人知人が観に来て下さり感激。

二日め、前回転載した「まほろば通信」に関る
轟さんが来て下さり、
庭のスミレに黒とオレンジ色の縦じまの毛虫がいて、
よほど踏み潰そうかと思ったが
今月号の「カメラ散歩」を思い出して、
ひょっとしたらこの毛虫があの幼虫ではないかと、
思い至り、思いとどまってそのままきたということであった。

ちょうど今回の案内状にその「ツマグロヒョウモン」
の羽化の写真を使用していたし
会場にもその作品があった。
その毛虫は間違いなくこのチョウの幼虫ですよと話すと、
では直ぐ帰って持ってきますと言われ
届けてくださった。

その幼虫は既に鉢の縁にぶら下がっていた。
「前蛹」の状態になっていた。
個展の会場に昆虫そのものが
持ち込まれたのは初めてであった。

受付の机に置いてご来場のお客様にご覧頂いたが、
実物への興味は思った以上に強く
「この毛虫からこんな綺麗なチョウが生まれるんですか」
と感心しきりで
作品鑑賞の眼差しが違うことに気付き質問も多く、
張り合いのある展覧会になった。

昆虫の写真はどうしても説明が必要なものが多く
翌日、スライドトークを行った。
これも初めての試みであったが、
熱心に聴いてくださり今回の大きな収穫であった。

トークが終りお帰りのお客様を送りに
受け付けまで戻ると先刻まで毛虫であったのが
なんと綺麗な蛹になっていた。(前回の写真参照)

会期の3日目に蛹になったので
会期中の羽化は望めなかった。

会期終了後2〜3日して轟さんから
羽化の様子を見ることができましたと報告があり
案内状のとちょっと翅の柄が違い、
ツマグロがありませんからオスのようです、といって
又、その成虫を届けてくださった。


このほか会期中に
ツマグロヒョウモンの卵を3個頂いた。

飼っているうちに、三匹どころか後から後から
知らぬ間に幼虫が生まれ最終的に10匹になり
スミレの葉をたべること、食べること、
餌の補給にきりきり舞いをしました。

3〜4匹を養子にだしました。
蛹も2〜3興味のある方に差し上げました。
無事に羽化することを、そしてその感動的な瞬間を
是非ご覧戴きたいと思っています。

轟さん本当に有難うございました。





第314回『ツマグロヒョウモン』2009/8/18

6月中旬からさまざまなイベントが続き
頭も身体もてんてこ舞いで「ちょっと一服」が休止してしまった。
約一ヶ月半ぶりの復帰になる。
今回は「カメラ散歩」第8回を転載することにした。

カメラ散歩第8回

昆虫の生態を見せる昆虫館に
年近く勤めていて、
さまざまな昆虫を飼育していたが、
現在は、たまたま見つけたチョウの幼虫を飼ってみる程度である。

撮影はあくまで自然の中で撮るのが理想であり、
自然の状態でなければ撮れないものが殆どである。

一方、チョウやセミ、トンボなどの羽化の瞬間
といった長時間待たなければならないものは、
飼育してカメラをセットして、
その瞬間を待つよりし方がない。

サナギの外観の変化を見ながら
凡その見当をつけて準備万端整えて待つ。
羽化は多くの場合、その夜、夜中、明け方である。

待つうちに眠くなり、居眠りをして、
はっと気付いて目を覚まして見たら、
既に羽化が完了していて、
悔しい思いをしたことも度々である。

しかし、経験を重ねていくうちに、サナギの変化の
細かいところまで観察が行き届くようになり、
羽化までの時間がかなり的確に判断できるようになり
失敗は少なくなる。

大変ドラマチックな瞬間で、
何度経験しても感動的である。


  



上の右は写真がツマグロヒョウモン
の羽化のクライマックッスである。

チョウやセミの羽化をご覧になった
経験をお持ちの方は多いと思うが、
幼虫である、イモムシや、毛虫が蛹になるプロセス
の目撃となるとかなり少ないと思われるので、
ここで幼虫から蛹になる(蛹化という)
プロセスの写真もご覧頂こう。

昨年夏、信濃鉄の道御代田駅の
ホームで見つけた、チョウの幼虫を
持ち帰ったところ、翌日サナギになった。

写真は、そのプロセスを撮影したものである。
飼育容器の中で逆さにぶら下がった、
黒と赤の毛虫が逆さにぶら下がる。

やがて毛虫の背が割れ徐々に蛹が現れてくる様子である。
蛹化の所要時間は2〜3分であろうか。

この蛹から丁度一週間後に
チョウが生まれたわけだが、
いずれのプロセスも巧く撮れたのは
大変ラッキーといわねばなるまい。

因みに、このツマグロヒョウモンは本来
関東以南でしか繁殖していなかった種だが、
ここ数年、信州で当り前に繁殖、
目撃されるようになった。温暖化の影響と思われる。



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