(戻る)


第39回「四国旅日記‐Ⅱ」2004年6月7日


イシガキチョウ

ダビドサナエ

ホタルブクロ

阿波池田から大歩危まで特急は20分で到着。
駅のすぐ下を吉野川の清流が流れている。

夕方までには高知より西の佐川へ着く約束がある、
そう遠くへは行けないので、3キロほど山の中にある
平家屋敷までタクシ-で行き、
帰りを駅まで歩く事にした。

平家屋敷そのものに、さして期待はなく、
自然の中を歩くのが目的であったから、
別にがっかりもしなかったが、
とりたてて見るべきものはなかった。

庭に出て休んでいると、
私と同じくらいの年配の男性が
やはり、一休みといった感じでこちらの方へ来て、
どちらからいらっしゃったと、問いかけてきた、
信州長野からですと答えると、遠い目をして、
信州はいい所ですねえ、と云い、
ひと呼吸おいて、
息子は信州大学を出たんですが
「癌で死にました」と言った。

丁度その時、
頼んであったらしいタクシ-がきて、
少し不自由な足を引き摺るようにして
乗り込み、去っていったが、
その悲しみと、怒りを含んだ悔しさの眼差しは
今も焼きついている。

我々二人もそこを出て、
車が、けっこう通る駅までの道を歩き始め、
脇道に入ってみたりしながら、
花や虫の写真を撮った。
やはり南国で、信州にはいないものに出会える。

上のイシガキチョウは
沖縄では普通に見られるが、
本州では紀伊半島南部、九州、
四国にしか分布していない。

中段のトンボはダビドサナエだと思われる。
種を確定するには
捕らえて細部まで良く調べないと、
良く似ているが、別種もいるので、断定は出来ない。
渓流に棲むサナエトンボの一種である。

下の白い花はホタルブクロ。
信州で見るものは殆ど紫色のもので、
白はめったに見られないが、
四国では白ばかりで、
紫色のものは見られなかった。

植物と言えば、牧野富太郎博士、
日本の植物学の草分けであるが、
今日夕方行く、佐川町の出身である。

話は前後するが、佐川には牧野公園があり、
高知市内には、広大な牧野植物園がある。

佐川の牧野公園は散策できたが、
牧野植物園は、帰路に
高知で一泊翌朝タクシ-で行き、
前まで行ったら月曜日でお休み、がっくり。

前の晩友人がもう一人加わり
記憶を失うほど飲んだ罰で、
タクシ-代5000円丸損の憂き目にあった。

もう一度四国へ行く目的を
残しておくのも良かろうなどと
負け惜しみを云っている。



(戻る)





































(EOF)