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第49回「ヒヨドリの親子」2004年7月12日



住んでいる、この団地は
オリンピックの選手村として
造られたせいか、緑地なども
他より多少余裕があり
団地の中央を東西に抜ける道路は幅も広く
ケヤキ並木になっている。

南北の端と、間にもう1本
東西に伸びる道があるが
幅はやや狭い、しかし、いずれも、
街路樹が植えられていて、
暑い夏でも木陰があり
住人にとっても有り難いが、
鳥たちにも快適らしく、
決まりきった種類ではあるが
野鳥の活動が観察できる。

植えられている木は、ケヤキの他、シナノ木、
ナラ、クヌギ、ナツツバキなど喬木があるので
今は葉が繁って見えないが、
あちこち高い所に巣があるようだ。

ヒヨドリ、キジバト、モズ、など。
用水沿いには
ハクセキレイ、キセキレイなど、
今挙げた種は一年を通じて
見られる鳥達である。

しかし、写真をと思うと
なかなか撮らせてはくれない。
私は昆虫が主なので
あまり長い望遠レンズは持たない。

だから充分なサイズで撮れることは殆ど無く、
何時も悔しい思いをしているが
たまたま、巣立ったばかりのヒヨドリが
我が家のベランダに現れた、

カメラを持って3メ-トルくらいまで近付く事が出来、
初めて満足の行くサイズで撮影でがきた。
雛は飛んで逃げたいが、なかなか飛び立つ
勇気が起きず、もじもじ、

その間に5~6枚ほど撮ったところで勇気を
奮ってケヤキの葉の繁みまで飛んだ
と言うより飛び降りるといった感じで逃げ去った。

親鳥は、雛に巣立ってもらわねば困るが、
巣立てば巣立ったで、
外敵も多く気が気ではないらしく
雛と鳴き合い、居場所を確認し合い、
雛が安全と見れば、雛の餌を取りに行く。

その間、雛もじっとしてはいない、
居場所が変わる、
それを探して親鳥は必死に飛び回る

一度、雛のいる近くにカラスが近付いた時は、
あの大きなカラスに、雌雄で立ち向かい、
追い払ってしまった。

このように普段近づけない親鳥も、
雛を守る気持ちが強く、
カメラが近付いても簡単には逃げない。
といっても5~6メ-トルまでだ。

それでも漸く、
赤い木の実を咥えた親鳥の姿をキャッチできた。

このような条件は巣立って2~3日だけで、
雛が一人前に飛べるようになってしまえば、
近付くことは出来ない。
これは6月29日のことで、その前後は、
ハクセキレイも、モズも、ツバメも、
あちこちで、雛が巣立ち、
電線や、木の枝に止まった
雛に餌を与える親鳥の姿が見られる。

動物や鳥の親が子供や雛に愛情を示す行動は、
なんとも微笑ましい光景である。

それにひき比べ
我々人間社会では、我が子への、
異常な折檻や、食物を与えず死に至らしめる、
はたまた、保険をかけて殺めるなど、
普通ではとても考えられない事が現実に、
しばしば、起きている。

人間は、人道にもとる行為に対し、
「犬畜生にも劣る行為」という言葉を使うが
動物や鳥たちは、怒るどころか、
あきれ返ってせせら笑っているであろう。



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