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第66回「団地内を流れる水路」2004年9月4日

団地の中には三本の農業用水が流れている。
一本は団地の北東の隅を掠めるように流れ
あとの二本は東から西へ流れ団地を三分している。

住んでいる棟のすぐ下を流れる用水は両岸はもとより、
底までしっかりコンクリ-トで固められた直線の水路で、
もう一本の水路の両岸は土のままで、
殆ど自然を保っている。


同じ団地の中を流れる水路なのに
何故このような差をつけたのか、
長野市の意図がわからない

写真右のコンクリ-ト水路は、時に上流から
フナ、ドジョウ、などが流れて来たり、
水量の少ない時に、
スズメ、セキレイなどが水浴びに来る程度で
水辺の生き物達の生活の場にはなっていない。

一方 写真左の水路は、岸辺が土のままなので
自然に、セリ、クレソン、ミゾソバ、オモダカ
その他諸々の水辺の草が生い茂り、
セリやクレソンの白い小さな花には色々なチョウや、
アブ、ハチなどが蜜を吸いに来るし、
水面にはアメンボウが沢山見られる。

第10回の、あの「カルガモ」もこの水路で、
雛を孵化させるまで生活できたわけでる。

団地内に限れば200メ-トル足らずの水路でも、
コンクリ-トで岸を固めずにおくだけで
さまざまな生き物の営みが
可能なことがよくわかります。

図らずも長野市は、河川の改修工事の実験をし、
その結果を見せてくれているようです

大きな河川の改修工事、護岸工事で
常に何処でも揉めていますが、
この小さな水路二本を見るだけで、
答えははっきりとしています。

私は毎日のように、小さな命のきらめきが見える
水路の周辺を散歩しながら観察し
写真に収めたり、絵を描いています。

もう秋も近くなっていますが自然の水路には
まだ、トノサマカエルの姿も見られます。
敏感な彼らは足音にすぐ気付き
次々と水に飛び込んでしまいますが、
たまにはのんびり者もいて、
ゆっくり姿を見せてくれる事もあります。



(パソコン画 藤井 醇)



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