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第70回「現代の案山子」
2004年9月17日

 団地の周辺も、
だいぶ家が建て混んではきたが、
それでもまだまだ田んぼがある、

もう稲刈りも目前、
と思っていたら既に刈られ、
はぜ掛にかけられているのもある。

10年くらい前からであろうか、
このような案山子が眼に留まるようになった。
「マネキンの再就職は案山子かな」、
「マネキンの第二の人生案山子かな」

「マネキンも再就職はままならず」などと、
馬鹿なことをぶつぶつ呟きながら、
今日写真を撮ってきたのでご披露しよう。

通りすがりに眼の端で、
チラッと見るのと違って、
こうして写真にして見るとけっこう楽しい。

一番上は、とりすましているが、
哀愁が漂い、第二の人生が気に入らず、
疲れた、という感じが見受けられる。

二番目は、
明るく振舞っているようにも見えるが、
開き直っているようでもある。
風で乱れた髪が顔にかかり、
やけにリアルで薄暗くなって見ると
ちょっと不気味。

三番目の青年は、再就職ではなく、
気軽なフリ-タ-といった感じ。
(この案山子は他の田んぼで)

いずれにしても、デパ-トの売場や、
ウインドに飾られている時とは
全く表情が違って見えるのが面白い。

現代案山子に限らず、
案山子の効果はあるのだろうか?
これでスズメは本当に騙せるのか?

お百姓さんに確かめた事がないので
効果の程はわからないが、
あの手この手と、
さまざまな試みが、
なされていると言う事は、
当初効果があっても慣れてしまい、
効果がなくなるのかもしれない。

相手は小さなスズメであるが、
数で攻められるのだから
被害もばかにならないと思われる。
スズメとの知恵比べである。

案山子の他に今日眼についたもの。

先ずこの「クロネコ」 
田んぼの周りに張られたロ-プに
吊るされ青い眼を光らせていた。
田んぼの真ん中辺りには、
赤い翼を広げた
カラスくらいの大きさの鳥の模型が
4~5羽、ロ-プに吊るされていた。

クロネコと、この鳥はいわば「脅し型」。
同じ田んぼにもう一つ、
これはカラスの模型を
首吊りにしてあった。

これも脅しではあるが
「見せしめ型」と名付けた。
果たして、スズメに「見せしめ」は効くのか。

青年の案山子を除いて
全て一枚の田んぼにあった
スズメ脅しの仕掛けである。

都会のカラスやネズミ達も、皆頭が良く
人間と長年知恵比べをやっているが、
勝負は未だについていない。



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