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第73回「アオムシの災難」2004年9月26日

「猫の額」の夏野菜を片付けて、
ブロッコリ-の苗を5株植えた。

半分は最初からモンシロチョウの幼虫に
提供するつもりで(負け惜しみ)あったが、
大きなアオムシが、5株で30匹は付いていた。
これではブロッコリ-は丸坊主にされる。



我々の分がなくなってしまう・・・・・・・。
そこで、一応全てを採集、
袋に、入れて持ち帰った。

アオムシを見つけるなり、
農薬をかけたり、捻りつぶしたり
しないところが普通の人と違うところである。

決して私が「虫も殺さぬ」心優しい人間である
ということを云いたい訳ではない。

飼育して、蛹になったり、チョウになる瞬間を
写真に撮りたいからである。
つまり、モデルとして、雇っておきたいからで、
餌も与えなければならない。
特別かわいいと思っているわけではない。

さて、翌日、飼育ケ-スに入れ変えてしっかり、
飼育しようと思って、袋を開けてびっくり



何だかお判りでしょうか?
黄色いのは、
「アオムシコマユバチ」のマユです。
ちょっと事情を説明致しましょう。

アオムシコマユバチという
寄生バチの親が数日前に、
アオムシの体内へ卵を産みつけました。

早速孵化した、コマユバチの幼虫(蛆虫)は、
アオムシの体内で、その生体を食べ、成長します。
必要にして充分なる量を食べると、
コマユバチの蛆虫は、
アオムシの皮を食い破って娑婆へ出てきます。
そして、マユを造ったというわけです。

モンシロチョウの幼虫であるアオムシは
未だ死んではいませんが
体内の器官を全てではないが、
食べられてしまっているので、
チョウになることはなく死んでしまいます。

「アブラナ科」の作物を
おおいに利用する人間にとって
「アオムシコマユバチ」は生きている農薬として
貴重な存在ですが
モンシロチョウにとっては最大の天敵です。

持ち帰った幼虫の90%以上が
寄生されていました。

モンシロチョウの羽化の写真
を狙ったわけですから、
当初の計画は失敗でしたが
思わぬ収穫を得たわけで、
私としては「アオムシ様様」であり、
「アオムシコマユバチ様様」である。

おまけに、これで、
ブロッコリ-の収穫も充分期待できそうだ。



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