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第320回『昆虫写真展』2009/10/31

八王子に住む友人木石さんの計らいで
八王子市別所にある「長池自然公園」の中の
ネイチャーセンターで写真展を催すことが
急に決まって又忙しくしている。

彼の紹介でもう数年前から知り合っている
加藤慎大郎君は、先天性筋ジストロフィーで
不自由な生活を長年強いられてきたが、
昨年成人式にも参加され、今年21歳になった。

ご両親の熱い熱い看護の賜物といってよいが、
慎太郎君も本当によく頑張っている。
目の本当に澄み切った、
思いやりのある好青年である。

その慎大郎君が虫好きと云うことで、
毎月季節の昆虫の写真をあしらった、カレンダーを
お贈りしたりしていたが、今年ふと気付いて、
慎太郎君の地元で昆虫写真展を催し
観てもらえたらと、木石さんに会場探しを
お願いしておいたの実現の運びとなった。

こんなに嬉しいことはない。張り切って準備をしている。
会場等の詳細は以下の通り。


京王線で新宿から小一時間だそうですが
大きな自然公園のようです。
公園内には四谷見付にかかっていた
「見付け橋」が移されているらしい。

懐かしい方もいらっしゃるでしょう。
まあ、それよりもたまには茂名様も里山の雰囲気の
公園を一日散策なさってください。





第319回『カボチャ』2009/10/20

10日ほど前、友人の轟さんから
珍しいカボチャを頂いた。先ずはご覧いただこう。


正式な名前を聞くのを忘れたので
勝手に長カボチャと命名しておく。

長さは焼く60センチほどもある、
ながーいカボチャに驚きました。

しかし、記憶を辿ると終戦後ちいさな畑を借りて
祖父が作っていたような記憶もあるが
定かではない。

もうひとつ思ったのは、最近でこそ
食材野菜として定着したズッキーニは
ウリ科ではなくカボチャの仲間ということであるから、
長いカボチャがあっても全く不思議ではない。

割ってみると、種は先端のふっくらした部分
に集まり、細長い部分にはまったくない。
やや水分の多いカボチャだが、皮は薄くしっかりと硬い。

酒を盛んに飲んでいた頃は、
カボチャなどは見るのも嫌であった。
カボチャ嫌いは酒のせいばかりではない。

敗戦前後の食糧難時代、毎日毎日カボチャばかり
それも、甘くも、美味くもない品種ばかりであった。
特に戦後の2〜3年は、カボチャ攻めに会った。
(カボチャすら手に入らぬ時代もあった)

そんな訳で、食糧事情が好転した1950年頃から
約、半世紀まったくカボチャを口にしなかった。

2〜3回生まれかわったとしても、その分くらい
食べたから絶対にカボチャは食べないと
宣言していたが、ここ数年前から食前の酒を
飲まなくなってから、急に甘いものを食すようになり
カボチャが食膳に復活した。

頂いたナガカボチャも早速、甘く煮ていただいた。


カボチャ攻めで辟易してはいたが、
よく考えてみれば、命綱でもあったわけで
毛嫌いしては罰が当たる。

最近では家人に「最近カボチャ煮ないネ」
などと催促するくらいである。

洋種カボチャが主流の時代にあって、
ナガカボチャは、和カボチャであろうか。
久々に和カボチャの、懐かしい味を楽しみながら、
母を思い出している。





第318回『目の日』2009/10/10

10月10日は「目の日」とか。
誰が決めるのかは知らぬが最近は、
さまざまな日がある。

それは、おいといて、「目の日」といえば、最近、
全く視力が衰えてきていることに愕然としている。

視力の衰えだけでなく、最近は目の中に
「蚊」まで飼っているようで気になってし方がないが
「飛蚊症」だと思っているが、未だ医者にも行っていない。

若い頃は小さな小さなチョウの卵の紋様まで肉眼で
見えたものだが、最近はなかなか見つけられなくなった。
先月中旬、カタバミにヤマトシジミが産卵をしているのを見つけ採集して帰った。
孵化を楽しみにしていたが、孵化した幼虫は卵以上に見つけにくく、なかなか確認できずにいた。
初令の幼虫は1ミリあるか無しで、葉っぱと同じ色ではちょっと無理だとは思いながら、飼育容器の中は10枚程度の葉っぱであるから必死で探し漸く三匹いることを確認したが、翌日見て三匹の幼虫を確認するのに10分以上もかかり、時にはどうしても二匹しか探せないこともあった。
少し大きくなれば簡単に見つけられると思って、暫く放っておいた。

二番目の写真くらいになれば、まあまあ見えるようになるが、それでも巧みに身を隠しているので、見つけるのは簡単ではない。写真の限られた枠の中でさえご覧の通りですから、野外の自然のままの姿では見つけるのは大変である。
いわゆる「視力」だけの問題ではない。彼らが、いかに巧みに隠れているかいうことであろう。

三番目は終令幼虫で、漸く体長が12ミリ程度、漸く実態がお分かりになったことでしょう。
飼っている間に、餌の補充をしますが、いつの間にやら卵か小さな幼虫が付いてきたようで、最終的には6匹の幼虫を飼い、すべてが蛹になりました。
蛹も最初は幼虫の姿とたいして変わりはないようで私の視力では代わり映えのしないもので、背中に一対の黒点が見られる程度である。
長年、さまざまな昆虫を飼育したり、写真を撮ってきていながら、あまりに身近な存在であるが故に、ヤマトシジミは飼育したことがなかった。
そういえば、身近な、ベニシジミ、ルリシジミ、ツバメシジミなど小さなチョウの幼虫は全く飼った経験がないことに気付いた。
おそらく幼虫が小さく発見が難しいことに関係がありそうである。
蛹は次第に色の変化が見られるようになった。

下の左写真の黒っぽいところが翅になる部分で、緑色の部分は胴体である、それもやがて、右の写真のように黒ずんで、お腹の節が明確に見えるように変化してきた。
間もなく羽化することが判っていながら、出かける用事があって撮影ができず、二匹目、三匹目も、外出の日と重なってしまい口惜しい思いをしている。
残るは後一匹である。最後のチャンスはなんとしても逃がさぬようにしたいものである。

羽化のプロセスは撮れていないが、
羽化したばかりの姿は捉えているのでご覧下さい。

春から秋まで庭先、路傍で、足許を忙しなく
低く飛んでいるのに気付いていらっしゃると思いますが
あらためて、しっかりご覧になってください。
可憐な蝶です。いい「目」をしています。



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