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第312回『奴隷制度』2009/6/22

アメリカの奴隷解放宣言からおよそ150年になるが、
現代でも人身売買などもあり、
実質的には奴隷的な境遇から
抜けられないでいる人々多くいるが、
ここでは、人間世界の難しい話ではない。

2日ほど前、蒸し暑い夕方美術館からの帰り
団地の敷地内まで帰って来て
大変な数のアリの行列に遭遇した。
隊列は2〜3Mに及んでいた。
下の写真がその情景である。


多少うろうろしているように見えるが
隊全体は西から東の方向へ確実に進んでいた。
サムライアリの奴隷狩りの隊列である。

何処まで行くのか、暫く見ていたが、
隊列の方向の先に、クロヤマアリの巣があるはずと見て
探したらどうやらその巣が数メートル先にあった。

40年前に自宅の庭のクロヤマアリの巣が
襲われたことがあり、それ以来の目撃である。

その折も撮影は満足なものではなかったが、
今回も60点以下の結果に終ってしまった。

巣穴へは一気に攻め込む。黒い水が流れ込むように。


写真右下の乾いた土塊のあるところが入り口。
攻め込んで2分と経たないうちに
蛹の入った繭を咥えたサムライアリが出てきた。
興奮していたせいか、焦っていたせいか、
肝心なショットを殆ど失敗してしまった。


この画像の中に、ベージュ色の繭を咥えている
アリが5匹いるがお分かりだろうか?。
恥かしい画像ではあるがとにかくご覧頂こう。

サムライアリは奪った繭を自分の巣へ持ち帰り、
繭からクロヤマアリの働きアリが生まれてくるのをまつ。

生まれた働きありはそれはサムライアリたちの巣とも
知らずそこを我が家と思いせっせと働くわけである。

サムライアリは奴隷狩りの時しか外に出ないので、
その巣を出入りするのはクロヤマアリばかりであるから
サムライアリの巣か、クロヤマアリの巣か判らなくなる。

つまり、私がクロヤマアリの巣があるなと思って
見ている巣が実はサムライアリの巣である
ということも多々あるということである。

アリはハチと親戚で、昆虫の中では
進化している部類で生活も変化に富む。

日本にはいないがハキリアリと云うアリは、
木の葉を切り取って巣に運び込み、
キノコの菌糸を植え付け
キノコを食している種もある。

日本には秋に地上へ這い出て、
草のみだけを集め食している種もある。

去年は50年ぶりの、絶滅危惧種である
「オオルリシジミ」に、そして今年は40年ぶりに
サムライアリノの奴隷狩りに遭遇した。
良い写真が撮れなかった事が心残りである。








第311回『嬉しいプレゼント』2009/6/11

第302回でゴロア−ズ(フランスタバコ)と
美しい花の絵のお手紙を頂いた事をご紹介した
石崎ご夫妻からまたまたプレゼントを頂いた。
ちょっと珍しいものなのでお目にかけましょう。



大きさは実物大、蓋つきの器です。
何に使うかおわかりでしょうか?

実は中国のもので、中にコオロギを入れて飼い、
音を楽しむ容器です。
蓋は音がこもらぬよう、透かし彫りが施されています。

外光が殆ど入らず適度な暗さが保たれ、
コオロギが鳴く条件にぴたりです。

我が家にも亡父の北京土産が一つあったのですが
行方不明で、残念な思いをしていました。

室内に鳴く虫を飼い音色を楽しむなどという趣味は、
欧米には無い習慣のようです。
アジアでも、おそらく中国、日本だけかもしれません。

この容器は、素材の木が肉厚で中は
ちょっと狭いので長期間飼うには不適ですが
一晩、二晩虫の音を楽しむにはよさそうです。

日本にも凝った虫篭(竹篭)がありますが、
乾燥しすぎてこれも長期飼うには不適です。
秋が楽しみです。

そして、また奥方からは、素敵な絵手紙。
奉書紙に描かれたヤマボウシ
ますます、腕を上げられています。
字も超達筆、友人は多くおてがみを頂くことは多いが
毛筆でさらさらと、という方は2〜3人。

中お一人は毛筆にも拘らず、奉書紙に横書き、
この方は男性で味わいのある字。
さて、その美しいお手紙またご披露いたします。



画面の水色の縦じまは、和紙の折り皺が
白く抜けず残念ですがご容赦下さい。

私は絵はパソコンで描くので原画は保存されて
いますが、肉筆は相手に出してしまうと
手元に残りませんから、
こうしてお手紙を頂くと申し訳なく思っています。
でも、又お手紙下さい。楽しみにしています。



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