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第176回『今年初めて出会った虫』
2006年3月16日

漸く春めいた天気になったと思うと、
又数日は冬日に戻る。先週の土曜日から昨日まで
毎日のように雪模様、
殆ど積もりはしないが、一時猛烈に吹雪く。

そんな天気の繰り返しであるが確実に春は近付いている。

一昨日、団地の建物の腰より低い位置に
2センチほどの蛾が張り付いているのを発見。
一瞬、「フユシャク」の仲間かと思い、
家へカメラをとりに行き、撮り、図鑑で調べると
「フトフタオビエダシャク」と判明、
「フユシャク」でないことが判った。
図鑑には3月から出現とあった。



小さな枯葉がへばりついているか、
壁の単なる汚れみたいで、
気付く人は殆どいないであろう。

四六時中、「虫」を探しているわけではないが、
こんな小さなものでも見えてしまうのは
常に「関心」を持っているということに過ぎない。

「虫屋」としてはあたりまえの事であるが、
終戦直後日本人の多くは
喰うやや食わずの厳しい状況であったが、
そんな時期でも「虫」に関心を持ち
小さな白い蛾を見て、「この蛾はひょっとしたら?」
と疑問を持ち調べ、
本来日本にはいない蛾であることを
突き止めた人がいた。

それが「アメリカシロヒトリ」と命名されたということを
「アメリカシロヒトリ」という著書で知った時は、
驚き、感心をしてしまったが、同時に
一人、にやにや、顔がほころんでしまった。

好きなことなどに頭が行っている時は、
空腹も何も忘れられるということである。

尚、「フユシャク」については
05年1月の、第102回(続宝探し)
に詳しく記してあるが、冬季に出現し
メスは翅を持たない変わり者である。



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