(戻る)

第218回「子育て支援講座」
2007年1月31日

前回からあっという間に二週間経ってしまった。と云うのは
近くに「ひとミュ−ジアム」という(上野誠の版画常設)
美術館があり、そこで「子育て支援教育講座」が
開かれていて「親子の版画教室」などが行われていて、
10月頃知り合った館長から
次回、親子に「昆虫の話」をするよう依頼され、
お引き受けしていた。

1月28日と決まりそれからその準備を始めた。
その日の一日展示であるが40点ほどの写真を選び
キャプションを点検、写真とキャプションの小冊子を作ったり、
やや忙しくしていて
「ちょっと一服」ができずにいたわけである。

相変わらず毎日メ−ルをやり取りしている友人、
木石さんにメ−ルすると以下のメ−ルが届いた。

件名 : 目にモノ見せてください。
日時 : 2007年1月10日 13:43

子育てを放棄した身で「子育てを支援する会」
などで講演をなさってはいけません。
「一言も無い」とばかりに写真をお見せになっては
いかがでしょうか。目にモノ見せてくだい。

彼一流の諧謔である。

しかし「一言もない」では済まされないので、
興味尽きない昆虫達の生態を中心に話をした。
終ってから気が付いたが、
話をした興味深い生態の多くは「昆虫の子育て」であった。
今日はその内のひとつ、「狩人蜂」のお話を紹介しましょう。



クロアナバチという「狩人蜂」の一種種が
獲物(ツユムシ)を捕え地中の巣穴へ運んでいます。
捕えた直後にツユムシの運動中枢を
違えることなく一刺し、麻酔をします。
巣穴の一部屋に6〜7匹運ぶと、
ツユムシの身体に、ひとつ産卵し部屋を閉じます。

数日で孵化した幼虫は6〜7匹のツユムシを
食べてマユをつくり蛹になり蜂になり
翌年夏、一人前の狩人として活躍するわけです。

獲物を殺さず麻酔をしておけば動くことができず
且つ新鮮さを保てるという最良の方法である。

この他、幼虫の「揺りかご」そのものが、
幼虫の食料である「オトシブミ」など
成人するまでの「住」と「食」を責任を持って
与える昆虫たちの「子育て」を私の口を通して
語ったことになりました。
これならば木石さんからクレ−ムも付かないでしょう。

「一服」にはそれほど多く昆虫が登場していない事が
今回調べて判りましたので
今後は少し面白い生活をしている昆虫達に
時折登場してもらうことにします。

尚文中のオトシブミについては184回
詳しくありますのでご覧下さい。




(戻る)











(EOF)