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第237回「子だくさん」
2007/06/03

第10回で「カルガモ」のことを記した。
団地の中を流れる農業用水にカルガモのカップルがきて
いつも仲良くのんびりと生活をしていた。
あまり人を警戒したり恐れる風もなかった。
標準レンズで充分写真が撮れた。

ところがある日10羽の雛を連れてきたときに、子供が追廻し
ついに一羽の雛を捕らえてしまった。
その年はそれ以後姿を見せず、心配したが
翌年の春しばしば姿を見せるようになった。
しかし、以前と違い警戒心が強くなり、200ミリくらいの望遠でも
撮影が難しくなってしまった。
雛を連れて現れることもなくなった。

そしていつも、ピリピリとしていて落ち着かない
警戒の表情を浮かべたカルガモになってしまった。
それから今年は5年目になる。

夕方家人が買い物に出た。間もなく電話をかけてきて、
「カルガモが雛を連れてきている」と
知らせてくれた。急いで長い望遠レンズを付けて急行。
怯えさせぬよう遠くから捉えたが、
それでも雛を連れているせいか、落ち着かない様子だ。



怯えさせるのは可哀相だし、夕方で撮影条件も悪いので、
早々に引き上げてきたが、心配でならない

その用水では休みの日など、子供たちが
掬い網をもってカエルやフナなどを採っている。

とにかく写真でご覧のようにその様子は可愛らしく、
つい手を出したくなるであろう。
といって、団地内の掲示板に
「用水にはカルガモが雛を連れてきているから悪戯をしないように」
と張り紙をしても、それは、より多くの人たちに
カルガモの雛がいることを知らしむることになり
逆効果になるかもしれない。
何とか遠くからそ-っと静かに見守ってやる方法は無いもだろうか。

カルガモで思い出すのは皇居のカルガモ一家の引越し。
何故か皇居のカルガモの、ある一家族が
道路を渡った所にある三井ビルの付近で毎年営巣
雛が孵ると、雛を連れてお皇居のお堀へ帰るわけだが、
交通の激しい東京のど真ん中である。
その引越しの時は一時的に交通を遮断して
大勢の人たちが見舞ってやった。毎年確か今頃で
新聞でも写真を載せ話題になった。
あのカルガモは今はどうしているのだろうか。

昨日、買い物ついでに家人が見たところ、
はっきりはしないが、数が減っているみたいだ、
付近にカラスが2〜3羽来て狙っていると云うことであった。
無事に成長し、成鳥になるのは
何羽いるのだろうか、しばらく見守りたい。




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