第63回「壺裏春」2004年8月23日
四月頃近くにコ-ヒ-店がオ-プンした。 看板に「陶カフェ・壺裏春」とある。 明るい外から中はよく見えないが、 陶器が展示してあって、 コ-ヒ-を飲ませるらしい事は分る。 別の所にあったコ-ヒ-店が なくなってから一年以上になる。 ちょっと入ってみたいと思うが そこを通るのは「猫の額」の往復の時で、 いつもどろどろの長靴を履いている時であり、 お店の名前が懲りすぎていることもあり ちょっと入りづらく、素通りをしていた。 「壺裏春」(こりしゅん)て何だろう。 学の無い私には判らない。 横目で見ながら三ヶ月も過ぎたであろうか、 「まあ、一度入ってみよう」 ということで、入った。 なかなか感じの良いお店で、それから 「猫の額」の帰りによく寄るようになった。 陶器のイメ-ジは一言で云えば 「備前焼」風の重厚なもので、 壺や花器、大皿などがテ-ブルにも飾ってあり、 花器にはいつも素朴な野の花が生けてあって 重厚な中に素朴さがあり、落ち着ける。 コ-ヒ-は何時もこのようにして出される。 |
このお店の切り盛りをしている女性の父親が陶芸家で 信州新町に窯を構えているということを聞いていた。 そして、昨日(8/22) これ等の陶器にお料理を盛り付け、 その料理を戴く会が催されたので、参加した。 器に関しては関心は大いにあるが 専門的な知識は全く無い。 しかし料理は造るのも戴くのも大好き。 お料理は先ず、「目でいただく」と言われるように、 器、盛り付け、何れも料理の味に係わってくる。 一杯のコ-ヒ-でさえ、このような 心使いのお店ですから、期待していた。 普通の家庭では、まず使うことがない、大鉢の 中心には人数分の青竹の容器におぼろ豆腐 周囲には氷が敷かれ、 ぐい飲みが伏せられ冷やされている。 平皿にも竹の容器に「めかぶ」の酢の物、 クマザサが一葉あしらわれている。 そのあと、揚げたての、精進揚げを その笹の葉の上に取り分けてくださる。 メインの料理は別の大皿に盛り付けられ、 各テ-ブルに供される。 器の渋さが、料理を引き立て、全体を引き締め、 とても素晴らしい演出であった。 この他にも、信州新町産のこんにゃくの握り寿司、 デザ-トに酒饅頭、葡萄、スイカなど盛りだくさん。 下手な説明よりは、「百聞は一見にしかず」で、 別のペ-ジに写真をまとめましたのでご覧下さい。 店の名「壺裏春」についてご主人に伺ったところ、 中国の言葉で、「壺の中に春がある」 言い換えると、「桃源郷」と言うような 意味だと教えてくださいました 尚、陶芸家、塙(ばん)さんのHPは(閉鎖)です (陶芸家、塙で検索すれば 別のページが見つかります) |